プレバト2019年1月3日俳句コーナー書き出し「書き初め」がテーマ

 

現在MBS系列で毎週19時より放送されているテレビ番組「プレバト」の俳句コーナーを毎週録画して観ています。
日本語の勉強になるし、実際に仕事にもかなり役立っている内容が放送されているので、せっかく毎週録画しているのならきちんと書き出して、思ったことなどをアウトプットしていく方が、自分の身になるのではないかと思い、書き出し企画をスタートすることにしてみました。
 
 
以下プレバト2019年1月3日俳句コーナーの書き出し

 

 
 俳句の才能査定ランキング
 17音にどんな思いを込めるのか
今回のお題は「書き初め」
参加タレントは
西郷輝彦
杉本彩
山口もえ
高橋ひかる
キスマイ二階堂
 
才能アリが1名
凡人が2名
才能ナシが2名
 
まずは3位から発表

 

 
3位(凡人) は杉本彩
よんだ俳句はこちら
 
書き初めの
艶に込める
女ごころよ
 
浜田「これはどんな想い?」
杉本「書き初めをしている写真の手が女性だったので50歳代位の女性でその世代の女性だったら艶って言う字を書くんじゃないか、その艶に込める想いってどんなんだろう?」
 
先生の添削
「発想は悪くない。でもこれを読んだ人が艶という字を書き初めしてると思えない。
女心を省けばさらっといけるけれども、あなたが書いたと知ったから女心は省かない。じゃあどうすればいいのかと言うと、少し字余りにする。
まずは女心から始めましょう。さっさと女心を込めちゃう。
女心込め
書き初めの
 
ここまで流れてくる。
ここからが勝負です。
「艶」と書くと艶という文字を書いたとわかる。
艶ということを言いたいのですが、俳句ではてふと言うふうに書くと、ちょうと読んで、艶という意味になります。
まとめると
 
女ごころ
込め書き初めの
「艶」てふ文字
 
(スタジオ)すげー
 
ここまでくれば、ひとまず言いたいことは言える。」
 
ここがポイント
「文語独特の言葉を知る」
 
 続いては凡人第2位は

 

西郷輝彦
 
 二日はや
あれもう小腹の
立ちにけり
 
浜田「これはどんな気持ちで?」
西郷「去年はいろいろあったけれども、今年はあまり腹を立てずにいたいなと思ったが、正月もまだ2日なのに、もうすでに小腹を立ててしまった。」
 
先生の添削
「この俳句は、飄々としていいですね。
2日というのは、お正月の2日ということ。お正月は7日までが冬の季語です。
このまま鑑賞することも充分できるんですが、
この句は、「あれもう」がもったいない。
二日はやですでに、あれもうという感情は入っている。
あれもうは捨てましょう。これを捨てれば、誰に腹を立てたか書ける。
ここは仮に妻にということにしましょう。
 
二日はや
妻に小腹を
立てにけり
 
もし仮にお金だったら
 
二日はや
お金に小腹を
立てにけり
 
もし仮に世の中だったら
 
二日はや
この世に小腹
立てにけり
 
 四音節約したらいろいろできる。」
 
ここがポイント
「無駄な言葉は省く」
 
才能ナシ第4位
  キスマイ二階堂
 
七福神詣で
気分良く
笑顔
 
浜田「これはどんな気持ちで?」
二階堂「七福神が祀ってあるところをまわって気分が良い。そのあと七福神の絵を墨で書いて書き初めした」
 
先生の添削
「どこに発想を飛ばしたのか聞いてみたい。(少し軽蔑のトーンで)
 
あのー、七福神詣はマニアックな季語
最初は、「おっ」と思いました。
でも、神社仏閣にお参りして気分が良くなるなんて、誰でも考えられるようなこと。
 
気分良くを消すそしてこうよみましょう
 
七福神詣で
晴れやかなる
笑顔
 
これで調べは流れるので少しはマシ
でもあんた、さっきちょこっと言ってたことのほうがよっぽど面白い。
なぜそれを書いてこないの?
 
詣で来て
七福神を
墨で書く
 
こうしてればもっと上に行ってた。」
 
最下位才能ナシ

 

高橋ひかる
 
筆を手に
迷ったあげく
お年玉
 
浜田「これはどんな気持ちで?」
高橋「いつも毎年書き初めで、何を書こうかなと思っていると決まってお手本はお年玉と言う言葉だった。それを思い出してお年玉と書き初めしてる」
 
先生の添削
「季語らしきものはお年玉しか見当たらない。どう読んでいくかは、分からない。
おそらく、筆を持って何か書いてたんだけど、筆をおいてお年玉をもらいにいったとしか読めない。
 
書き初めなら、書き初めと書くしかないし、お年玉と書き初めを書いているのなら「お年玉」としないといけない。
筆を手に、を消す。悠長に言ってる場合でもない。
迷ってる、も消す。こんなこと言ってる場合じゃない。
 
ちゃんと書き初めから書きましょうよ
迷ったんだよね?それも書いちゃおうよ
 
書き初め何書こう
「お年玉」と書こう
 
書こう、書こうと韻を踏んだのだけど、
もしこれが小学校1年生位の作品だったらとてもいい作品です」
 
才能アリ第1位

 

山口もえ
 
筆始
祖父の遺した
硯箱
 
浜田「これはどんな気持ちで?」
山口「祖父は書道が大好きで、いつも一緒に書き初めをしてたけど亡くなってしまって、今祖父が残した硯箱を使って書き初めをしているところを俳句にしました。」
 
先生の添削
「こういう句に出会うと、五七五は本当に美しい調べだなと思います。
中七、下五で物がハッキリ見えてくる。
しかも硯箱はおじいちゃんが愛用してたもので、遺したという部分で、おじいちゃんが亡くなったことは充分に分かる。それを自分が大事にしていることも全部分かる。
 
ここから上を目指そうということならば、こういうことを勉強してください。
 
筆始という季語と
中七、下五は似合ってるのだけれども
 
ちょっと似合い過ぎている。
俳句では「近い」という言い方をする。
 
これをイメージが「近い」ところから「離れた」とこにすると、俳句の中に「奥行き」が出来て「色」が生まれる。
 
やってみますね、
たとえば「初明かり」という季語を使います。
 
初明かり
祖父の遺した
硯箱
 
こうすると、お正月の光が差し込んできて、そこにおじいちゃんの硯箱があるというイメージになる。
 
福寿草という言葉は知ってますか?
これを使うと
 
福寿草
祖父の遺した
硯箱
 
こうすると、
硯箱のとなりに小さな福寿草があるという風景が生まれますね。
 
よく勉強してきました。」
 
ここがポイント
「季語との距離感を保つ」
 
ここからはワンランク上の査定

 

 
まずは立川志らくの俳句から
 
走馬灯に
駆け込む
書き初めの馬
 
浜田「これはどういう句ですか?」
志らく「これは書き初めで子供が描いた馬と言う字があって、それがものすごく躍動感があってこの馬がどこに行くのか想像したときに草原だと才能なしだし、競馬場だと凡人だし、走馬灯でグルグル回ってるということににしたら俳句として面白いんじゃないか」
 
先生の添削
「この句の評価のポイントは、走馬灯」
 
立川志らくは昇格できたのか!?

 

 
先生の判断は
「現状維持」
読者を混乱させてはいけない
 
先生の添削
「走馬灯と言うのは夏の季語なんですね。もちろん季重なりがダメと言うわけではありません。
走馬灯が夏の季語であるということを知っている人は、最初の走馬灯を見て、夏のことなんだと解釈すると思います。走馬灯に馬が駆け込んで行くんだと思っているといきなり最後に書き初めの馬が出てきて、エッ新年だったのかとここで混乱しちゃう。
季重なりで走馬灯を書きたいのなら、
書き初めから始めていきます。
 
書き初めの「馬」
かけ込まん
走馬灯
 
最後に走馬灯がくると、
この書き初めの新年のイメージから始まりますから、最後に走馬灯ときても季語の力がグーっと薄くなります。
こうすれば行けてた」
 
次は梅沢富美男の昇格試験

 

 
札止めの
墨色の濃さ
初芝居
 
浜田「これはどういう句ですか?」
梅沢「大入り札止めの看板が出ると、役者の気持ちもバーンと明るくなる。今日は初日から非常に縁起のいいお正月だな。私は人気者だから連日大入り札止めだけど」
 
先生の添削
「この句の評価のポイントは、濃さ」
 
梅沢富美男は昇格出来たのか!?

 

 
先生の判断は
「現状維持」
言葉を学びなさい
 
「説明します。いいところがたくさんあります。
札色の墨色を言うだけで、初芝居がどれだけ活気があるものかを表現するのはまさに名人の判断。
どうして濃さのところを、濃「さ」にしたのか?
あなたは言葉の根幹を分かっていない。
「さ」にするから見てる人に分かりづらくなっている。
「濃さ」は名詞になる。
名詞になると、この墨色の濃さが、ちょうどいいだの薄いだの説明が入ってくる余地がある。
だからここはちゃんと濃いということを言わないといけない。
濃しと言いましょう。
 
札止めの
墨色の濃し
初芝居
 
あなた人気者なんでしょ?
じゃあそれを強調しましょうよ。
 
札止めの
墨色ぞ濃き
初芝居
 
文句があるなら、言葉をちゃんと勉強してきなさい」
 
・思ったこと
山口もえさんの俳句はとてもいいなと思った。
景色が浮かんでくるし、祖父に対する愛も伝わってくる。
季語と情景の近さ、についてはとても勉強になった。季語との相性がよすぎると帰って俳句の世界を小さなものにしてしまうイメージが離れた物を組み合わせることで俳句が世界観の大きなものになり奥行きが生まれ色がついてくると言う発想は、俳句だけじゃなくていろんな芸術に言えるのではないかと思いました。
 
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