読了、次世代ミュージシャンのためのセルフマネージメント・バイブル (プロモーション編まとめ)

 

こんにちは。いつもご覧いただきありがとうございます。
今回の記事は下記の本のプロモーション編まとめです。

次世代ミュージシャンのためのセルフマネージメント・バイブル 自分を作る・売る・守る!

リットーミュージック刊

永田純著

  プロジェクトマネージメントー売る①プロモーション編まとめ

 

プロモーション〜形のないものを売る

この項では「売る」と言うキーワードから、ミュージシャンにとって何が必要な仕事になり得るかを考えていきましょう。
まず、形のないものを売る、広報やプロモーションについて見ていきます。ここで言う「売る」は、文字通りそれによって対価を得る「売る」とは異なり、「顔を売る」「名前を売る」のような意味合いで理解していただけるとわかりやすいかもしれません。主に「情報を広めていくこと」について考えていきます。
 
ここで言う情報は、文字情報に限りません。例えば、あなた(のバンド)の音楽性やセンスを伝えるのに、10,000文字を費やしたプロフィールよりも、よく撮れた1枚のアーティスト写真のほうがはるかに有効である事は明白ですね。これからお話ししていく「情報」には、これらのビジュアル情報も含みます。
 
さて、あなたが演奏の場や仕事を得るためには、まず「あなたの存在そのもの」、そして「あなたがどんな人か」を知ってもらうことが大前提になりますし、もう1歩進んで、作品を買ってもらったりライブに来てもらうためには「◯月◯日に○○○という曲がリリースされる」「○月◯日に○○でライブがある」と言う具体的な情報が行き渡っていることが必要条件になる事はお分かりいただけるでしょう。これがプロモーションの第一歩です。
 
私たちを取り巻く環境全てが激動激変しているこの数年の中で、今、最も大きく、しかもミュージシャンにとって有利な方向に変わってきているのが、この「プロモーション」に関わることです。情報伝達のメインの担い手が旧来のマスメディア型からネット型に移行し、中でも、いわゆるSNS系の選択肢が多く登場してきたことが契機になっていると言えるでしょう。
少し前まで、いわゆる情報伝達の中心は地上波テレビやラジオ、新聞、雑誌であり、ミュージシャンが個人のレベルで発信できることといえば、フライヤーを印刷して知り合いの店に置いてもらったり、せいぜいBCCメールでメッセージを流す程度でした、ところが、FacebookやTwitterなどのネット上のSNS型サービスがほぼその居場所を固めつつある今、それらを活用することで、情報発信の基本的なこと、最初の1歩に相当する事は、ほぼ自分自身で、しかもほとんどコストをかけずにできるようになりました。これは大革命といっても良いことで、まずこれを利用しない手はありません。
印刷して知り合いの店に置いてもらったり、せいぜいBCCメールでメッセージを流す程度でした。ところが、FacebookやTwitterなどのネット上のSNS型サービスがほぼその居場所を固めつつある今、それらを活用することで、情報発信の基本的なことを、最初の1歩に相当する事は、ほぼ自分自身で、しかもほとんどコストをかけずにできるようになりました。これは大革命といっても良いことで、まずこれを利用しない手はありません。
 

ステップ1 :自分の存在をアピールする(作品やデモを公開する) 

まずはネット上にあなた自身の居場所を作り、積極的に自分や自分の作品をアピールしてみましょう。最初からウェブサイトを作るのも良いですし、サウンドクラウドを活用されるのも良いでしょう。作品公開の場としてはYouTubeも使えます。
 
YouTubeは動画投稿サイトとして認知されますが、音だけを聴かせる場として活用されている方も少なくありません。一方で大きなフェスティバルや番組の制作会社等がキャスティングを進める際にサウンドクラウドを見たりしています。
まずは「典型的な場合にはきちんといる」ことは必須と言えるでしょう。また、あなたが設定したポータルが検索ですぐにヒットするかチェックしておくのも大切なことです。
 

ステップ2:自分から情報を発信する(ライブ情報、リリース情報など)

次に、ライブやリリース等の具体的な情報発信してみましょう。BCCメールを使用する方法もありますし、Facebookで培った人脈に流す、Twitter上に流すなど様々な方法があるでしょう。
大切なのは「情報を出し続ける」ことで、それがきっかけになるのであればライブやリリースに限らず「久しぶりに東京に戻ってきました」でも構わないのです。ネットワークを強固にするためには、ある程度は発信し続けることも必要です。最近では、数百人程度のキャパのライブのプロモーションについては、すでにフライヤーの印刷をせず、これらの情報発信だけでまかなっている方たちも多く見受けます。時間、コストの両面で有利な方法です。
 

ステップ3 :積極的にコミニュケーションの場として活用し、情報収集する

これらのサービスについてもう一つ注目しておくべきことは、新聞やテレビなどのいわゆる旧来型メディアが「上意下達」型の一方通行的だったことに対し、これらにはコミニュケーションツールとしての「双方向性」が貫かれていることです。一対一でのコミニケーションや横のつながりを深めるためにも活用できますし、またTwitterは今やオーディション等の生の情報が行き交う場にもなっています。
 
また、これらに象徴される昨今の動きを見ながら、もう一つ、個人的に喜ばしく思っているのは、これらの流れが非常に原初的な「人と人とのつながり」に回帰する方向に見えることです。インターネットと言うバーチャルな手段を使ってはいるが、実は非常に「アナログ」なつながりに依っており、要は一対1一、口コミと全く変わらないわけです。
 
さて、ここまでに述べてきたSNS系のサービスについては、ミュージシャン本人が発信するからこそ価値があり伝播する、との側面があるのは否めません。しかし、例えば、Twitterで継続的に情報発信しながら、Facebookなどでコミニケーションをこなし、ウェブサイトやYouTube上の動画や情報を必要なタイミングで常に更新し続けると言うのは、それだけで大変な仕事量です。
プロモーションの土台となる情報発信がほとんど自分でできる時代が来た、とは言え、それらに時間を取られすぎ、音楽を作る時間がなくなってしまっては本末転倒です。ミュージシャンとしての仕事の中での優先順位を明確にし、時間の使い方を考え、自分ですべき事をはっきりさせる必要があります。
 

よりよい「プロモーション」を行うために

○ニュース・リリースを書いてみよう。
ウェブ中心の時代になり、リリースもよりシンプルで短いものが求められています「20文字程度の見出し」+「150文字」を目安に、エッセンスが伝えられますか? 
 
「アーティスト・プロモーション」か、「リリース(ライブ)・プロモーション」かを明確に。
プロモーションは一つ一つの機会の積み重ねです。目の前の機会に全てを詰め込もうとすると失敗しますし、何に重点を置くかの時期もあります。やるべきこと、今やっていることが、「あなた自身」をプロモートするためのことか、「リリース(Live)情報」を広めるためのことから、常に明確にしておきましょう。
 
○各メディアの評価は「コスト」「スピード」「ターゲット」が三原則
メディアにはそれぞれ特性があり、様々な条件の中からそれらを使い分けることが必要です。「コスト」「スピード」「ターゲット」の観点から見ていくとわかりやすいでしょう。
 
個人的に思ったこと。
この項では、実践的なSNSのやり方やマーケティングについて述べられていないので、それについて詳しく知りたい方は、こちらの書籍がおススメです。

 次回はチャプター2最後の「創作環境を守る」についてのまとめです。

 

次世代ミュージシャンのためのセルフマネージメント・バイブル 自分を作る・売る・守る!(チャプター2後半のまとめ)

 

こんにちは。大阪は最近少し寒波が引いてきたように思いますが、そう感じているのは暑がりの僕だけでしょうかね。
さて前回に引き続き、こちらの本のチャプター2後半のまとめです。

次世代ミュージシャンのためのセルフマネージメント・バイブル 自分を作る・売る・守る!

リットーミュージック刊

永田純著

 
 

チャプター2後半

プロダクションマネジメント「作る」についてまとめ

  音楽を作ることこそは、まさにミュージシャンの仕事であり特権です。美しいメロディーが印象的なコード進行、心に突き刺さる言葉を紡ぐこと、素晴らしい演奏をすること、クールなトラックを構築すること。誰もあなたの手助けができませんし、本来、音楽家にとって、これらに向かう時間はまさに至福の時であったことでしょう。
しかし純粋なクリエイティビティーとは別に様々な条件を満たす必要が出てきます。予算やライブのスケジュールやノルマなど。
 

より良い「プロダクション(音楽制作)」へ

予算編
○自分の活動の規模にふさわしい「松竹梅」(ランク)を最初に決める。無理な高望みは誰も幸せにしない。
○その上で、必要なことを積み上げていく「足し算」を。
 
スケジュール編
○最初に、1番大きな(長い)スケジュールを描いてみる。プロジェクトの始まりから最後まで。
例:ライブの決定から、当日までの2ヶ月スケジュール。
録音の決定から、納品締め切りまでの半年スケジュール。など
○その上で、節目になることを決め、そこに向け組み上げていく「足し算」を。
例:一曲一曲を完成させる
曲順を決める
ライブの1週間前には「通しリハーサル」を設定するなど
 
リスク編
○プロセスの中のどこにリスクがあるのかを考え、対応策を講じる。
 
個人的に思ったこと
この辺りの話はビジネスや受験勉強でも必要なスキルだと思う。
例えば東大に入ろうと思ったらそれなりに緻密な計画やスケジュールの組み立てが必要だし、そのために必要なお金も出てくるだろう。
音楽を続けていくことは、もしかしたら東大に入るよりも難しいかもしれない。
一度時間を割いてスケジューリングを見直してみようと思いました
 
次回は「売る その1 プロモーション編」のまとめです。

 

次世代ミュージシャンのためのセルフマネージメント・バイブル 自分を作る・売る・守る!(チャプター2前半のまとめ)

 

こんにちは、昨日に引き続きこちらの本のチャプター2前半のまとめです。

次世代ミュージシャンのためのセルフマネージメント・バイブル 自分を作る・売る・守る!

リットーミュージック刊

永田純著

 

チャプター2の前半は、ぶっちゃけミュージシャンとして生きることの核心に触れるところなので、
長文ですが、まとめずにそのまま引用します。皆さんも是非考えてみてください。
(意味が通るように、カットしている部分はあります)
 

チャプター2前半の引用

 
ここでは、ミュージシャンとしてのあなたのアイデンティティーについて考えていきましょう。
 
ここで言うアイデンティティーとは、
あなたが何者であるかを考えそれを実現し、
外に対してはそれをわかりやすく示すことです。
つまり世の中と関わっていくベースになる自己をしっかり作り、それを認識しておくこと。「のれん」に何を書くかを決めること、といえます。
自分が何者か、というのは、実は自分の外との関係なしには語りえないし、また、外に対して明示したことが、必ず自分を作ることに戻ってきます。
まず、最初の間口を広くとって、大切なことをじっくり考えてみましょう。
つまり、
あなたはどういうミュージシャンであるのか
(あるいは、どういうミュージシャンになりたいのか)
そして、どのように音楽を、仕事を続けていきたいのか
これを最初に固めておく。そして、これを外に示していくということです。
この点については、文字通り「腑に落ちる」まで、まずあなた自身が十分な試行錯誤や検討を重ねた上で納得し、その上でそれを身近な人たちとも共有して、十分に固めた上でスタートするのが良いでしょう。途中での路線変更ややり直しは、それなりに大変だからです。
ややとりとめのない話にはなりますが、自分を振り返る機会だと思って、眺めてみてください。
 
まず
あなたはどういうミュージシャンであるのか
あるいはどういうミュージシャンになりたいのか
についてみてみましょう。
 
例えば
あなたは今、バンドをやっています。鉄の結束を誇り、「30年はやり通す」とみんなで決めて一緒に進めるのなら、それは大変立派です。素晴らしいことです。まずはぜひそれを目指してみてください。
あなたは今、バンドをやっています。鉄の結束を誇り、「30年はやり通す」とみんなで決めて一緒に進めるのなら、それは大変立派です。素晴らしいことです。まずはぜひそれを目指してみてください。
一方で、バンドを続けていくことに、あるいは自分がそのバンドをベースに音楽を続けていくことに、ほんの少しでも不安があるのなら、どこにその原因があるのかをこの機会にじっくり客観的に見てみるのも良いでしょう。まずは自分の内なる声にきちんと耳を傾けてみることです。
「第二の家族」とはよく言ったもので、そもそも、バンドの中の一方で、バンドを続けていくことに、あるいは自分がそのバンドをベースに音楽を続けていくことに、ほんの少しでも不安があるのなら、どこにその原因があるのかをこの機会にじっくり客観的に見てみるのも良いでしょう。まずは自分の内なる声にきちんと耳を傾けてみることです。
「第二の家族」とはよく言ったもので、そもそも、バンドの中の関係が通用するのは、ほとんどの場合が、そのバンドの中だけです。「カッティングが味のギタリスト。ちょっとコーラスもできる。ヘッドアレンジでは結構いいアイディアを出す。ムードメーカーで連絡係り」というのは、一歩外へ出たら、多分同じ居場所はありません。同じキャラですらいられないかもしれません。
じゃぁ、どうするか?どんなことがあっても音楽を続けていきたいのなら、まず少し、外の様子を知る必要があります。つまり、バンド内にとどまらず、外界に存在する何らかの役割をきちんと担える状態になるまで、自分を磨き成長させるじゃぁ、どうするか?どんなことがあっても音楽を続けていきたいのなら、まず少し、外の様子を知る必要があります。つまり、バンド内にとどまらず、外界に存在する何らかの役割をきちんと担える状態になるまで、自分を磨き成長させる必要があるでしょう。例えば、ギタリストとしてある程度は何でも弾けるようになるか、シンガーとしてどこに行っても歌えるようになるか、あるいはアレンジャーになるか、それともコンポーザーとしてやっていくのか。
こうしてみるとわかるとおり、ほとんどの場合、仕事を生んでいるのは肩書です。あるいは、仕事は肩書に来る。最初に「あなた自身」に来ることは残念ながら、ほとんどありません。そこでまずその肩書きに期待されている役目を担うこと、それが全ての始まりだと言っても良いでしょう。
これは、例えば、こういう事でもあります。あなたは非常に優れたメロディーメーカーです。
でもそれだけではあなたは作曲家にはなれない。作曲家になるためには、メロディーを作るだけではなく、周囲が作曲家に求める役割を果たす必要があります。それは、メロディーに加えてきちんとコードをつけることだったり、譜面がすぐに準備できることだったり、必要とされる編成のわかりやすいデモテープをすぐに作れることだったりするかもしれません。それらを常に、指定された時刻までに、指定された方法で、指定されたところに届けられること。打ち合わせにはもちろん出席する。レコーディングの立ち会いもあるかもしれません。これら全てが良い曲であることや締め切りや音域を満たしていることを同様に、作曲家には必要なのです。
こうして、求められる役目を果たして初めて、あなたは作曲家としていられます。
そしてその上で、これを続けられるか。ストックが空になった時にも書き続けられるか。自分のペースを曲げても書き続けられるか。
そこからが作曲家としての勝負です。
個性が評価されるのはさらにこの先でしょう。
 
こうして、ここまで見てくると、少し違うことに気づく方もあるかもしれません。自分は、実はギターを弾いていれば何でもよかったのかも、とかあるいは、音楽に関わっていれば何でもよかったのかも、とか、音楽をやることより楽器に触れることが好きだったのかも、とか、やりたい事は自分でやることよりも好きな音楽を紹介することだったのかも、とか。
バンドから入ったのだけれど、気がついたら、セッションミュージシャンやアレンジャー、プロデューサーになったり、あるいは楽器屋さんになった人、エンジニアになった人、ギターの先生になった人、ラジオ番組の製作者になった人など、様々な例があります。どれも、自分の居場所を見つけて一歩先に進んだ例です。もちろん、ずっとバンドをやり続けている人もいます。
 
こんなことを考えながら、さぁあなたはどうしたいのか、何を担うのか、決めた場所で常に技を磨き続けられるのかと言うようなことを考えていきます。
そして、決めたことをまず「のれん」に書いてみましょう。それがスタートラインです。
 
自分の思ったこと
よく「メジャーデビューしたいんです!」や「音楽でやっていきたいんです!」という相談を受けるが、きちんと自分を見つめて、自分が本当にどうしたいのか、自分の本質についてしっかり考えてから相談したほうが生産的な話し合いが出来ると思います。
例えて言うなら交番で道を聞くのと同じです。
「自分はどこに行けばいいのでしょう?」という質問には答えられません。
「ここに行きたいんです!」と具体的な場所を言えばお巡りさんもきちんと道案内をしてくれることでしょう。
 
自分の軸が分からないと余計な悩みが増えて苦しくなると思います
まずは自分をしっかり見つめて、自分の「のれん」をしっかり掲げることが大切ですよね。
僕はいま「作曲家」というのれんをかかげて、一生懸命やってるつもりです。
皆んなで切磋琢磨してこれからも楽しく音楽やっていきたいです。
次回はチャプター2後半のプロダクションマネジメント
作ること」のまとめです。